5月の第2日曜といえば母の日。新型コロナウイルス感染症拡大で緊急事態宣言下、定番のカーネーションなどを求める客が生花店で密集状態にならないように、店員の感染リスクを減らすために、今年の母の日は「5月中を母の月に」と花き業界の9団体で構成される「日本花き振興協議会」が提案。SNSのアンケートでは約60%がこれに賛成していた。

 筆者はというと、母は大阪府に、義理の母が香川県に住んでおり、毎年ネット通販を利用して花を贈っている。母の日に間に合わせようと早めに準備し、「母の月」の話題が出たときには手配が済んでいた。

 大切な人にプレゼントを贈るときは、「やっぱり喜んでもらえるものを選びたい」と、毎年とても悩むが、それもまた楽しい時間になっている。結婚した当初は、庭で好きなバラを育てている義理の母には、希少な品種や、リング状に育てられたものなどバラの鉢植えを贈った。その後はワンパターン化を防ぐため、花束、プリザーブドフラワー、ハーバリウム、お菓子のおまけ付きなども採用し、今年は大きなバラのリースになった。結婚15年ともなるとそろそろネタも尽きてきたので、来年はJA紀州さんで作っているようなフラワーアートのミニ版にでも挑戦してみようか。

 JA紀州さんは毎年この時期、「母の日にお墓参りを」と地元や東京などで「母の日参り」のPR活動を展開しているが、こちらも今年はコロナの影響を受け自粛されている。卒業式、入学式と花の需要が高まる季節から続く花き業界の大きな打撃。つぼみのまま花を保存することもできず、収穫してもしなくても捨てられる花の報道には胸が痛む。「母の月」で例年通りの売り上げがあることを祈るばかり。(陽)