今月下旬から始まる梅の収穫シーズンを前に、みなべ町内の梅生産農家やJA、行政、町議会等でつくるみなべ町労働力対策協議会は、収穫を手伝う援農者と受け入れ農家向けの2種類のハンドブックを作成し、全戸配布した。近年は労働力不足が問題となっており、少しでも働きやすい環境を整えようと初めての取り組み。同協議会では新型コロナウイルス感染拡大防止へ健康チェックも啓発している。

 日本一の梅の産地であるみなべ町では近年、農家の高齢化や後継者不足などから繁忙期の労働力不足が顕著で、同協議会は昨年から解消に向けての議論をスタート。雇用環境を整える「パンフレット作成」、労務や労災などの啓発へ向けた「研修会」、空き家活用や宿泊補助などを検討する「住まい」の3つのプロジェクトチームを編成してそれぞれ具体策を検討している。今回はパンフレット作成チームが中心となり、より働きやすい環境を作ることで労働力確保の一助にしようとハンドブックを作成した。

 「援農希望者向け」と「援農者受け入れ農家向け」の2種類。いずれも未然にトラブルを防ぎ、援農者も農家も気持ちよく仕事ができるようにするための「心得」をまとめた。援農希望者向けでは仕事の流れを覚えることやミスを繰り返さないためのポイント、梅畑で注意が必要な生き物、作業で使う機械や資材、服装・持ち物など分かりやすく紹介している。受け入れ農家向けでは、万一の補償対策と安全配慮、上手な指導方法、援農者との人間関係など雇用側として何が求められているかを再確認できる内容となっている。ハンドブックとは別に、農繁期に労働力を確保するために活用できるシルバー人材センターやハローワーク、人材派遣会社、外国人技能実習制度など種類や問い合わせ先を一覧にした「労働力お助けシート」も配布した。

 援農者は町外の人も多いため、新型コロナウイルス対策を啓発したチラシも一緒に配った。毎日の検温、発熱がある場合は自宅待機、集出荷施設等への入退場時は手洗いと手指の消毒など予防対策の徹底を求めている。

 詳しい問い合わせは役場産業課℡0739―72―1337。

写真=2種類のハンドブックを全戸配布した