緊急事態宣言が発出され、1週間が過ぎた。不要不急の外出自粛要請などを受け、大多数の人は、普段の生活から楽しい多くのことを諦め自宅で過ごし、テレビでは閑散とした繁華街の様子が映し出されている。飲食店や飲み屋など、店を開けても客が少なく、十分で確かな補償もないまま営業自粛を求められ、皆、苦しい思いをしている。

 この状況を一刻も早く終わらせ、日常を取り戻すためにできることは、人との接触を減らし、家にいて、うつらない、うつさないことしかない。そのために苦しんでいるのだ。しかし、「自分がうつしてしまうかもしれない」という考えに至らない人がたくさんいる。感染ルート不明の感染者が多く、知らずに感染しているリスクの高い「緊急事態宣言対象都府県」から、多くの人が他県に外出。

 栃木県の日光東照宮は、歴史上初めて1週間の拝観停止を決めた。先週末東京方面から多くの参拝者が訪れたことと自県に外出自粛要請が出されたことが理由。奈良市のパチンコ店には、パチンコ大手チェーンを中心に営業を自粛している大阪からの客が殺到。日高地方の海岸線にも先週末には大阪を中心に多くの他府県ナンバーの車が訪れていた。

 4月に入り、急激に感染者が増えた沖縄県では、知事が「何よりも沖縄県民の命と健康を守ることが最優先」と異例の他県からの来県自粛を要請。

 緊急事態宣言の効果は、2週間ほどで表れるという。多くの人が要請に応じても、無防備でリスクが高い人ほど動き回る。学校の一斉休校要請から始まり、「要請」と言い続けてはや1カ月半。国内の感染者の増加は止まらず7200人を超えているが、まだ「要請」でいいのだろうか。(陽)