県青年農業者会議が有田川町きびドームであり、農業に関するプロジェクト発表で梅の耕作放棄地対策の活動を紹介した、みなべ梅郷クラブの山本宗一郎さん(32)=清川=が最優秀賞(知事賞)に選ばれた。耕作放棄地の解消や病害虫の発生抑制、環境保全などにつながる取り組みが高く評価されており、県代表として近畿地域農業青年会議(日程未定・滋賀県)に出場する。

 県青年農業者会議には県内各地方の8人が出場し、最優秀賞、優秀賞、奨励賞の各1人が選ばれた。近畿出場権は最優秀賞のみ。

 山本さんは「うめ産地を救う!?  伐採班の活動」と題して発表。高齢化や後継者不足に伴う耕作放棄地の増加で産地を脅かす病害虫が次々と発見されていることを指摘。実際にどれほどの耕作放棄地があるかなどについて農家にアンケート調査も行った。さらに梅郷クラブで伐採班を結成し、モデル的に2園で梅の木の伐採作業を行い、必要な人数、時間、伐採を請け負った場合の時給などを検証。耕作放棄地の伐採を継続的に行っていくことが必要だとした。また、「改植事業にも応用すれば、園地を放棄する前に誰かに利用してもらえる」と提案。伐採後は世界農業遺産の「みなべ・田辺の梅システム」に重要な役割を果たすウバメガシの植樹も推進していく方向性を示した。受賞に際して「近畿大会は来年1月ごろと聞いています。今後、伐採の取り組みを本格的に事業化し、その成果を発表したいと思います」と話している。

 今回の発表には印南町4Hクラブの西山和克さん(29)=宮ノ前=も「印南の農業をつなげたい!~印南町4Hクラブの挑戦2~」と題して出場し、奨励賞(県4Hクラブ会長賞)を受賞した。

写真=耕作放棄地で伐採作業をする梅郷クラブメンバー