昨年、国の史跡に指定された御坊市の塩屋王子神社では21日の北塩屋祭に合わせ、郷土の歴史と文化を学ぶ会による講座が開かれ、年に一度、秋祭りの日にだけ公開される「四神(ししん)の鉾」などの解説が行われた。

 講師を務めた溝口善久さんによると、本殿わきに公開された四神の鉾は亀、龍、白虎、朱雀がかたどられ、明治まで続いた朝廷の祭礼では、先にキジの羽がついた槍と一緒に、神輿のあとに続いたという記録がある。現在の鉾は室町時代に作りかえられたものという。

 また、本殿は西の海に向かって建てられ、鳥居の両側にはナギの木(神木)が植えられており、「海を鎮めるために建てられた神社であることが分かる」などと説明。昼には参加者が一緒に食事をしながら、「塩屋」と「塩冶(えんや)」、「森岡」と「母利(もり)」、「熊野(いや)」と「揖屋(いや)」など地名からもつながりがある日高と出雲の関係についての解説が行われた。

写真=四神の鉾について説明を受ける参加者ら