持続可能な社会保障制度、介護や在宅医療と連携した地域医療提供体制の確立を目的とした県地域医療構想の実現へ、6回目となる御坊保健医療圏の関係機関による調整会議が開かれた。圏域全体の病床数は現在、6つの病院で計724床あり、構想に示された2025年の必要病床数は655床。この目標達成へ、県からは国よりも踏み込んだ病床削減への方針が示された。

 15年7月時点の県全体の病床数は1万2614床で、地域医療構想で定められた目指すべき25年の必要病床数は9506床。このうち、御坊保健医療圏(みなべ町を除く日高地方6市町)は国保日高総合病院、和歌山病院、北出病院、整形外科北裏病院、紀伊クリニック、寺田医院の6病院の合計数は現在、724床となっており、構想の目標数655床を達成するには69床減らさなければならない。

 地域医療構想が定める医療機能別の病床数は、救急救命病棟やハイケアユニットなどの高度急性期が20床、病気になり始めの時期の急性期が210床、急性期から脱したあとの回復期が191床、病状は安定しているが治癒が困難な状態が続いている慢性期が234床。これに対し、現状(寺田医院の休止中19床除く)は高度急性期が8床、急性期が476床、回復期が123床、慢性期が98床となっており、目標数より266床多い急性期以外はすべて、目標数を下回っている。

 各病院のこれまでの取り組みとしては、日高病院が急性期病床を57床(病床返還27、回復期への機能転換30)削減し、和歌山病院が慢性期の3床を重症心身障害児者施設病棟へ転換するなどしているが、ことし2月の前回の調整会議以降、圏域全体の病床数に変動はない。現在、19床を保有しながら休止状態となっている寺田医院も、今後については未定だという。

 国は従来、すべての病床が稼働していない病棟を廃止や転換の対象とする方針を示していたが、県は今回、さらに一歩踏み込み、病棟(病院)内の病床ごとに非稼働であれば廃止等の検討対象とする方針を示した。

 これを受け、会議では具体的な議論はなく、とくに進展はなかった。県は各病院から10月末までに病床数等の実態報告を受け、11月ごろにヒアリングを実施し、来年2月ごろに第7回の調整会議を開く。

写真=北裏病院で開かれた第6回調整会議