日高川町玄子、浄土宗法性山円通寺の豊嶋英雄住職(63)は、ことしも5日から恒例の寒行を始めた。
 寒行は寒の入りの1月5日(年によっては1月6日)から2月2日までの29日間、夜間に「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら歩く修行。豊嶋住職は網代笠に墨染の衣、手甲(てっこう)、頭陀袋(ずだぶくろ)を身に着け、伏鉦(ふせがね)を鳴らしながら毎日2、3時間程度、距離にして約15㌔を歩いている。
 27歳のころ「本来の僧の姿とは」と考えて始め、ことしで37年目。この間、体調がすぐれない日もあったが、一日も休むことなく昨年1000日を達成し、仏教界の情報誌「月刊住職」にも掲載された。
 「ことしは昨年より寒くなりそうですが、修行のためですので、雪が降るくらいの方がいいです。37年目ですが1年目の気持ちで臨みたい」と話し、5日は外気温1度と冷え込みが厳しいなか、墨染の衣に身を包み出発。夜道に念仏の声と鉦の音を響かせ、中津川や千津川方面を歩いた。