由良町の旧白崎中学校で、校舎内の空き部屋を活用した企業誘致が相次いでいる。町が地方創生の一環で推進しており、校長室や保健室、職員室をそれぞれの事務所にしたIT関連企業などの3社が進出。税収アップや若者の移住にもつながっており、まちの活性化に一役買っている。
 旧白崎中の校舎は、以前から1階の一角が地元いきいきサロンかさね山、2階が文化資料の展示・保管スペースとして活用されていた。他の部屋は空いており、これまでには、営業・企画・販売代行業㈱ゆらちょう、地方公会計事務・GISシステム設定・スマホアプリ設計㈱地域科学研究所(本社=大分県)の和歌山事務所、地域活性化事業企画・運営紀州ツーリズムが事務所を構えた。
 このうち、地域科学研究所が進出したのは、和歌山県内でいち早く由良町から業務委託を受けたのがきっかけ。他の2企業は若者のU・Iターンでの事務所開設。いずれも必要な時だけ事務所を開けて業務を行っている。町には法人税の税収があるほか、施設賃貸料(面積により月額5000円または1万円)が入る。担当課は「廃校舎の有効活用ができる上に、若者も入ってきてまちの明るい話題になります」と話している。旧白崎中で残りの空き部屋は、音楽室と技術室となっている。
 まち・ひと・しごと創生法に基づく由良町版の総合戦略(2015年度から19年度まで5年間)では、廃校舎や町内空き家を活用して、IT関連企業などの「サテライトオフィス・スクール(本社から離れた場所の事務所や学校)」の誘致推進を盛り込んでいる。数値目標(KPI)は、19年度までに5件。