梅雨が明けたかと思うと、連日30度を超えるうだるような暑さ。冷房の効いた部屋でいると、外に出るのに勇気がいるほど嫌になる。夜も寝苦しく、ぐっすりとした眠りにつきにくい。気温が下がって過ごしやすくなる秋になるまでの間、この暑さと戦わなければならないかと思うとぞっとする
この時期に注意しなければならないのが熱中症。総務省の報道資料によると、昨年5月から9月までの5カ月間に全国で救急搬送された人数は5万5852人だったそうだ。都道府県別でみると、人口10万人当たりで和歌山県がもっとも多かったらしい。日高地方でも大勢の人が搬送されている。特に35度を超える猛暑日が多くなるこれから8月にかけては要注意。対策は水分を十分とり、塩分の補給にも心がけることが大切。体調を整えるのも重要だ
当地方の特産の梅干しは夏が暑ければ暑いほど売れるという。クエン酸や食塩が豊富に含まれていることから夏バテ防止になるというのが理由。弁当の腐敗防止に役立つことも消費を押し上げるといわれている。もちろん、熱中症対策としても効果的で、みなべ町などは「水分補給時に塩分がある梅干しも一緒に」と広く呼びかけている
しかし、日本一の梅産地のみなべ町をはじめ日高地方の住民が熱中症にかかる率が高いと、機能性に対する説得力にかけてしまう。住民1人ひとりが体調管理に注意し、熱中症を予防することが大切だ
本格的な暑さは始まったばかりでこれからが本番だが、梅の産地では熱中症の患者が少ないというデータがとれれば大きなアピール材料にもなる。大げさな言い方になるが、梅干しを食べて体に注意することが地域の産業や振興に寄与するのではないか。(雄)