紀州日高漁協、由良町漁協、同町商工会、ゆらつくらん会の4団体で組織する「由良町水産加工研究協議会」の設立総会が19日、役場で開かれた。第1弾の取り組みは、同町と長年交流のある岐阜県美濃加茂市の酒かすと由良の鮮魚を使った「魚介酒かす漬け」の開発で、本年度中に試作品を完成させ、来年度にも新産品として商品化を目指す。
 同協議会は町の優れた鮮魚などを活用した加工品の研究、開発を行い、漁業者や商工業者らの異業種間の連携を強化するとともに、新たな消費の拡大を促進して事業者の所得向上を図るのが目的。鮮魚については、どういった種類を使うのか、またどんな加工品にするのかなどは今後幅広く研究、開発を進めていくが、第1弾として考えているのは、日本酒の製造が盛んな美濃加茂市の酒かすを使った商品。由良町興国寺の山川宗玄住職が美濃加茂市の正眼寺の住職を兼務している縁で、両市町は十数年前からイベントに相互参加するなど交流を続けている関係があり、同市から酒かすを年間どの程度提供してもらえるのかなどの協議も進めていく。予算は、国の地方創生加速化交付金300万円を活用し、町が同協議会への補助金として交付する。
 設立総会では畑中雅央町長が「長年、美濃加茂市と続けている交流の成果として、酒かすと魚のコラボ商品ができればという話が持ち上がり、この協議会が設立された。どう作っていけばいいかしっかり研究してほしい」とあいさつ。役員選出で会長に選ばれた山名実氏(商工会長)は、「町の新たな産品を一つでも二つでも多くつくっていきたい」と決意を述べた。会長以外のメンバーは次の皆さん。
 【紀州日高漁協】山口太志(副会長)、大畑佳久、吉成綾【由良町漁協】中野豊(監事)、中村茂隆、岩本茂【由良町商工会】石方京太郎、東正吾【ゆらつくらん会】中初美(会計)、松下紀久代、梶谷和子