南海トラフ巨大地震の津波被害に備え、印南町が印南地内の高台に建設を進めてきた一時避難施設「印南避難センター」の完成に合わせ26日、一時避難の対象になっている印南小学校(平尾潔司校長)の3、4年生が見学に訪れた。
 徒歩で学校西側の階段を使い、避難ルートをたどって訪問。平尾校長から「地震が起きたらここを目指してください。自分の命は自分で守るという意識を持って」との話を聞き、日裏勝己町長や町職員らの案内で施設内を見て回った。1階の備蓄倉庫には2000人の3食3日分になる非常用食料が入った箱がいっぱい。このほか、備えている投光器を見せてもらった。
 避難センターの場所は上野山の町有地で海抜27㍍。南海トラフ巨大地震では印南地区で最大15㍍の津波が予想されており、同校児童や浜、地方地区の住民らが一時的に避難できる施設を建設した。建物は鉄骨2階建てで延べ床面積約290平方㍍。1階に避難スペースや倉庫、2階に和室を設け、自家発電装置を備えている。事業費は約8000万円。設計は西ノ地の㈱寺前則彦設計室(久岡政弘代表)、施工は印南の㈱千代徳組(久堀徳次代表)が請け負った。
 最後に日裏町長が「これで避難路と合わせて避難のコースができました。安心して勉強し、地震が起きたら先生の言うことを聞いて高いところへ逃げてください」。4年生の畑中舞桜さん(10)は「地震が起きたらすぐに逃げたいです」、周家大樹君(10)は「逃げたとき風邪を引くのが心配だったけど、これなら寒くなくて雨も風も大丈夫そう」と話していた。