正月準備を始める日とされる「事始め」の13日朝、御坊市薗の小竹八幡神社(小竹伸和宮司)で恒例のえとの大絵馬奉納が行われた。
 大叔父の山中襄さん、父の木村靖夫さんから引き継ぎ、毎年描いている氏子の会社員、木村洪平さん(51)=御坊市薗=が奉納。今回が15回目となった。小竹宮司が祈祷(きとう)したあと、塩﨑建築代表の塩﨑弘直さん(53)=御坊市薗=が、作業を手伝った息子の真登さん(23)と一緒に設置。ひつじに替わり、描き上げられたばかりの「さる」の大絵馬が掲げられた。
 岩山でくつろぐ親子3匹のニホンザルを描いた図。母ざるはかわいい子ざるを抱きかかえ、父ざるは2匹を守るように立っている。木村さんは「中国の金糸猴(きんしこう)などを描いた絵馬もありますが、やはり日本の正月にはこの赤い顔をしたニホンザルがふさわしいと、動物園などにも足を運んで観察。父ざるの威厳を表現するのに苦労しました。毛並みと、顔の赤みの加減が難しかったですね」とし、「奉納を始めて15年ですが、あっという間でした。辰年以外はすべて親子の動物を描いています。ことしも新しい年の天下泰平、多くの人の家内安全や子どもの健やかな成長を願って描きました」と話している。