巨大地震などの対策で、由良町は高台で町内各地域へのアクセスが便利な吹井地内に新たな防災拠点の整備を進める。本年度は9月議会(8日開会)で関連の補正予算を計上して用地造成を行い、一角に町内初のヘリポート(正式には場外離着陸場)を整備。来年度以降は備蓄倉庫を設置するとともに、もしもの場合の仮設住宅用地としての活用も視野に入れている。
 新防災拠点の整備を計画しているのは、町立由良斎場北200㍍の町道沿いで、民有地と町有地の山林合わせて面積約6000平方㍍。海抜約60㍍の高台に位置し、地震による津波の心配がないとされている。さらに、町道や県道の整備で地理的にも由良、白崎、衣奈地区へアクセスがしやすい。9月議会に提出する一般会計補正予算には、防災関連施設整備事業として2900万円を計上。可決されれば、用地購入、造成を進め、本年度末までにヘリポートを整備する。町内では、緊急時にヘリが離着陸できる場所として町民グラウンドや海上自衛隊由良基地分遣隊があるが、(飛行)場外離着陸場として国土交通省の認可を受けて登録されるヘリポートの整備は初めて。認可には平坦な土地、近くに障害物がない、着陸帯が表示されているなど一定の基準を満たす必要がある。認可を受けて登録しておけば、災害時のヘリでの物資輸送や負傷者、急病人のドクターヘリでの搬送が必要な場合、スムーズに手続きを行い利用できる。
 具体的には決まっていないが、来年度以降は備蓄倉庫も整備し、防災拠点としての機能を充実。さらに、残った用地では、例えば津波で住宅が被災した住民の仮設住宅を建てる場としての利用も考えている。