県が調査した4月1日現在の市町村別推計人口で、日高地方では日高町だけが増加していることが分かった。
 この1年間で人口が増えたのは上富田町(前年比0.58%増)、岩出市(0.27%)、日高町(0.13%)の1市2町のみ。日高町は出生57人、死亡96人と39人の自然減だが、転入272人、転出223人と49人の社会増で前年より10人人口が増えた。
 日高町役場総務政策課では社会増について、「地価が安いという根本要因のうえに、農業者の高齢化や後継者不足から土地を手放す営農者が増えてきたこと、さらに地震津波災害に対する防災、危機意識の高まりから浸水の心配がない高台地区の宅地化が進み、近隣市町村から人口が流入してきているのが大きいのでは」と分析。また、子どもの医療費無料枠拡大など子育て支援施策の充実にいち早く取り組んできたこと、地籍調査を終わらせて土地の取引がしやすい環境を整備したことなども宅地開発やアパート建設を後押ししたのではないかとみている。
 県の人口調査は昭和42年に開始。今回は平成22年10月1日現在の国勢調査確報値を基礎に、各市町村から報告の住民基本台帳登録者数の増減を加算して推計人口を算出した。県の総人口は96万5597人で、前年比0.90%、8771人の減少。平成9年に減少に転じ、これで19年連続の減少となった。
 市町村別で減少率が大きかったのは、すさみ町(3.73%)、古座川町(3.11%)、由良町(2.78%)の順で、由良町は前年比168人減だった。