御坊市湯川町財部の浄土真宗本願寺派、安養寺(佐々木俊紀住職)で3日、珍しい仏前結婚式が行われた。
 大阪市で調理師をしている川東俊行さん(39)と同じく調理師の和代さん(34)=旧姓杉本、藤田町吉田出身=の挙式で、親族ら約30人が出席。仏前には祝いごとに使われる金色のろうそくが灯され、雅楽の演奏が披露される中、はかま姿の新郎と白無垢(むく)姿の新婦が入場。司婚者の佐々木住職が合唱、礼拝して経を唱えた。新郎、新婦は誓いの言葉を述べて「記念念珠(数珠)」を授与されたあと、焼香や式盃(三々九度)を行った。佐々木住職は講話の中で「寺にとって門徒では初めての仏前結婚式です。これをご縁に末永くお幸せになってください」と祝辞を述べた。
 同じ職場で知り合い、14年越しの交際を経てゴールイン。和代さんの父親が同寺の総代をしている関係で仏前結婚式をすることになり、俊行さんも「きれいなお寺で結婚式を挙げられることを幸せに思います」と満足げ。「将来は御坊に来て2人で料理屋をしようと考えています。子どもは2人ほしいですね」と笑顔で話していた。