御坊市藤田町北吉田地区の有志でつくる大賀ハス池の会(仮称)が地区内の休耕田を活用してハス池を整備し、美浜町三尾の大賀ハス池から5株を分根して植え付けた。大賀ハスを研究した故阪本祐二氏(元日高高校教諭)の出身地が吉田だったことを縁に、平和の象徴であるハスを観光振興に役立てるのが目的。順調にいけば数年先には開花する。
 地元有志は山本達区長はじめ阪本久佳さん、早川義孝さん、中橋一馬さん。元々、中村裕一県議から二階俊博代議士が平和の花・ハスの普及運動に取り組んでいることを聞いて賛同。さらに、2000年の時を超えて大賀ハスを開花させた故大賀一郎博士の研究を引き継いだ故阪本氏の出身地でもあることから、今回のハス池整備と分根を計画。昨年秋に故阪本氏の妻弘子さんに大賀ハスの分根の相談を持ちかけたところ、和歌山県大賀ハス保存会の会長を務める長男の尚生氏を紹介されて協力、指導を受けた。ことし2月には地区内でハス池の場所を決定、今月12日には草刈りと整地。17日に水を引き込んで肥料散布などで準備してきた。22日には三尾の大賀ハス池で同保存会の協力を得ながら5株のレンコンを掘り出し、北吉田に運んで植え付けた。
 整備したハス池は面積約5㌃。場所は北吉田八幡神社の北約1㌔。区内では県道拡幅計画があるほか、宮子姫顕彰会や宮子姫の里をつくる会が観光客誘致の取り組みを展開しており、関係者は相乗効果に期待。大賀ハス池の会は「故阪本先生のご先祖は、吉田地区の氏神である吉田八幡神社を建立した時には宮司であったと、地元ではよく知られている。神社のある北吉田地区に大賀ハス池ができることは大変喜ばしい。早く鮮やかな花が咲くことを楽しみにするとともに、まちおこしにもつなげたい」と話している。