定数11に対して現職7、新人6の13候補がしのぎを削っている日高町議選は、舌戦もきょう7日限りとなった。注目の戦況は前哨戦から大きな変化がなく、志賀と萩原の新人が上位争い。中堅、ベテラン勢3人が安定した戦いぶりを見せ、荊木の新人2人も安全圏確保との見方が強い。一方、下位グループでは地縁、血縁の少ない1期組2人が厳しく、内原地域の現新3人、志賀の現職1人もボーダーラインを大きく抜け出すまでには至っていないもよう。8日の投開票を前に最終盤の戦況を分析してみた。(文中敬称略、届け出順)
 志賀の井垣は近所から新人出馬の影響が大きく、当初は苦戦も徐々に盛り返してきた。地元では劣勢だが、元JA職員、消防団などのつながり、若手農業者へのアプローチ、内原地域へのくい込みで1期生の中では健闘。前回票283票(10位)を死守し、再選を狙う。荊木の清水和は区内で新人と競合するが、若者層に支持を拡大。同級生の付き合いも生かして隣接区へも攻勢をかける。前々回(平成15年)トップ当選の引退現職からも支援を受け、上滑りを警戒しながらラストスパートをかける。萩原の辻村は久しぶりの無所属候補出馬となった大票田の地元がまとまる。元役場職員、町体育協会副会長をはじめとするスポーツ関係の付き合いに加え、元町議の父の看板、血縁のある原谷などでも一定の集票が見込め、トップ争いの1人とみられている。阿尾の一松は最ベテランの経験を生かして安定した戦いぶり。前回から地域性でかなり有利になり、地盤の阿尾、田杭、産湯ではがっちり前回票を守る。昨年5月の町長選で支援した原谷候補の関係で若干上乗せか。一気に163票を増やした前回457票超えは難しいとみられるが、議席は守り抜きそう。高家の栄は子育て支援に長年携わり、女性へのアピール力はある。異文化交流支援団体の世話人を務めるつながりも頼りに支持拡大を狙うが、町外出身者で地縁、血縁がほとんどなく、苦戦は否めないようだ。前回最下位当選(221票)。今回も運動員を持たない中、4年間計58項目に及ぶ一般質問など議会活動の実績を訴え、巻き返せるかが鍵。高家の酒井は、前高家区長。仕事で30年以上、地元を離れていたため、大票田にいながら思うように支持を伸ばせないようだが、元町議の全面サポートを得て当落線上までこぎつけた。区外では運動も少なく、知名度が低いのが不安材料。地元を固めることができればボーダーライン上から抜け出す。萩原の西岡は共産候補が1人となった前回481票の5位当選と大躍進した。地元で新人出馬の影響は少なからずあるものの、昨年暮れの総選挙党比例票(472票)などである程度基礎票は読め、毎議会の一般質問など精力的な議会活動にも一定の評価があることから今回も安全圏をキープか。荊木の楠山は中高年世代から支持を集め、手堅い選挙戦を展開する。血縁のある小中、萩原にも攻め込み、地元では前回トップ当選の引退現職が強力にバックアップ。地元で新人と激しい選挙戦を繰り広げるも、好ムードを保っているもよう。池田の玉井は地元区が約180票の票田だが、長年の区長経験もあって強力なバックアップを得られている。元町議が支援する原谷、血縁を伝って志賀地域にも入り込み、一部若者層にもくい込んでいるとみられる。新人一番名乗り、前哨戦の活動量はトップクラスで安全圏入りまであと一歩のムード。比井の清水正は約300票の地元をまとめ、安定感抜群。血縁関係で産湯や志賀地域にも支持を広げる。小浦など海岸線では引退票を取り込み、新人乱立の中、現職への期待票も上乗せ。初の上位入りを狙い、勢いが増している。志賀の稲垣は若者層から支持を集め、約1700票ある志賀地域全域で有利な戦いを展開している。若手運動員のつながりなどで阿尾を中心とする海岸線やスポーツクラブ関係に支持を伸ばし、自身の仕事や前町長の後援会役員の知名度を生かして原谷など内原地域にも進出。地元でも現職を上回る勢力があり、トップ争いを展開しているようだ。高家の芝は現新3人競合の区内で善戦。自身は町外出身だが地域行事への積極的なかかわり、血縁関係を生かして少しずつ安全圏へ近づいているとの見方が多い。告示前から辻立ちなどで必死のアピールも行っており、初の選挙戦の中も知名度アップの活動が奏功すればボーダーラインを少し上回るとみられている。志賀の田坂は苦しい戦いを強いられている1期生の1人。町外出身で地縁、血縁が少ないうえ、街宣車なし、運動員なしで告示後目立った選挙運動をしていない。仕事関係、浮動票頼みでは厳しく、前哨戦で町内全域をあいさつ回りに駆け巡った成果に望みを託す。