「地域の絆をたすきでつなぐ」を合言葉に県内の小中学生が熱戦を繰り広げる第14回県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会は15日に和歌山市で号砲。本紙では日高地方7チームのリレー紹介がスタートした。数人の記者で各チームを取材し掲載しているが、筆者は毎年取材を通して子どもたちの元気な姿からパワーをもらっている。
 担当した日高川町チームの壮行式であまりにいい話を聞けたので、小欄で紹介させていただく。町体育協会会長の小串親秀さんがあいさつのなかで、選手たちに「〝ありがとう〟と反対の意味の言葉は?」と尋ねた。選手たちともども筆者も分からなかったが答えは〝当たり前〟。小串さんの大学時代の恩師の言葉だそうだ。何気ない日々の生活、人の行動など当たり前と思ってしまいがちだが、そのように思ってしまうとそこに、〝ありがとう〟、いわゆる感謝の念はない。駅伝においても保護者の練習場所への送迎、スタッフの指導、周りの人たちの協力、応援など...。この日々の出来事、携わる人に感謝の気持ちを持つことが大切だと。日常生活でも当たり前が当たり前でなくなったとき、日ごろの当たり前をどれだけ幸せに感じることか。そうなってこそ、いつも当たり前にやってくれている人、事柄に対しあらためて感謝の気持ちに気付くこともある。子どもたちへの激励の言葉であるが、筆者も強く心を打たれた。
 15日の大会本番は現地で取材。子どもたちには、支えてもらっている多くの人々、駅伝ができることへの感謝の気持ちを胸に地域の絆をたすきでつないでいただきたい。地元チームの健闘と子どもたちにとってかけがえのない思い出になることを願っている。   (昌)