公共施設など災害時の避難場所の近くに、その場所を示す看板が不法に設置されている問題について県は、「放置しておくと看板が落下する危険がある」とし、県管理道路分の看板を撤去することを決めた。海南市や岩出市の都市部を中心に、県全体では260本以上あり、日高地方も御坊市と日高川町に計10本を確認。避難場所を示す看板の下には企業などの広告もついており、すべて所有者は不明となっている。
 昨年10月末現在、県道と3桁国道の県管理道路(国道と市町道は除く)に設置されている広告付き避難誘導看板は263本。各振興局別では、海南市と紀美野町の海草振興局管内が116本で最も多く、次いで岩出市と紀の川市の那賀振興局が92本、有田振興局19本、西牟婁振興局18本などが続き、日高振興局は御坊市で9本、日高川町で1本が確認されている。
 看板は高さが約5㍍あり、小中学校など災害時の避難場所を示す表示板の下に企業や個人事業所の広告板がついている。すべて道路占用許可もなく不法に設置され、古くなって看板の文字が消えていたり、鋼製の支柱が傾いたりしており、放っておけば朽ちた看板が落ちて通りがかりの人や車に当たる恐れがある。
 県は先月5日から30日間、道路法に基づく撤去のための告示を行ったが、所有者が名乗り出た看板は1本もなし。早ければ今月下旬から順次、撤去作業を進めていく。
 県道路保全課によると、看板は20年以上前から設置されているという。