御坊、印南、美浜、日高川の1市3町で7日、消防出初め式が行われた。出動服姿の勇ましい団員らが集合し、力強い分列行進やポンプ操法の披露、一斉放水などキビキビした動きを披露。御坊市は市制施行60周年記念で例年より趣向を凝らし、初めて救助訓練を実践するなど気合い十分。各市町ともことし1年の無災害を願うとともに万一の事態へ備えて士気を高めた。
 御坊市は御坊小学校グラウンドで行い、団員230人、消防職員45人、富安婦人消防クラブ22人が集まり、初めての分列行進を行った。柏木征夫市長は式辞で「知識と見識を持ち、災害時には中心となって市民の命を守ってほしい」と激励した。表彰や御坊幼稚園幼年消防クラブの鼓笛演奏のあと、地震で校舎3階に2人が取り残されそのうち1人が負傷と想定した訓練を実施。一人ははしご車、もう一人はバスケット担架とロープを使って見事救出に成功し、大きな拍手に包まれた。北村幸大団長は「60周年を機にいま一度原点に返り、防災活動に努めたい」と誓った。
 印南町は若者広場で行い、全5分団の団員217人と車両30台が参集。日裏勝己町長は「近い将来、大地震・津波の発生が予想される中、住民の消防団への期待は大変大きい。町としても強靭で安心安全なまちづくりへ取り組んでまいりますので、消防団も団長のもと一致団結し、町の守りをお願いします」と式辞。濵中芳光団長は「町民の生命と財産を守るため、団員一丸となって頑張っていきたい」と決意を新たにした。最後に第4分団員4人によるポンプ操法の披露があり、迅速にホースをつないでいき、「火」と書かれた看板へ勢いよく放水した。
 美浜町は松洋中学校グラウンド不良のため、体育センターで行い、冷田光啓団長以下75人の団員と、町内12地区の自主防災会役員ら約40人が参加。20年勤続の橋本和明さん(第1分団)、10年勤続の古川清次さん(第3分団)と中西由紀夫さん(第2分団)の表彰もあり、森下誠史町長は「昨年の町内の火災は3件で、民家火災への団の出動はなく、いずれも大きな被害はなかったが、重大な火災がないのは住民の意識が高いからこそ。ことしも自主防災会との連携を密にし、地域密着の防災力向上に努めてほしい」などと式辞した。
 日高川町は川辺西小学校体育館で行い、8分団260人と婦人防火クラブ2団体20人が参集。山﨑敏治団長、市木久雄町長らが部隊を観閲し、山﨑団長は「皆さんは団員であるとともに、それぞれの地域のリーダー。一致団結してわが郷土を守っていただきたい」と訓示。市木町長は日ごろの活動に感謝した上で、「地域の皆さんの安全安心な暮らしのために、一層のご尽力を賜りたい」と激励した。永年勤続団員17人、退職団員16人、長年活動している婦人防火クラブ2団体の表彰もあり、閉式後は入野の日高川河川敷で一斉放水し、士気を高めた。