JR御坊駅のバリアフリー化事業起工式は、26日午前8時半から現地で行われる。地元住民らの強い要望を受けて構内にエレベーターや出入り口にスロープなどを設置。完成は来年夏を予定しており、9月の紀の国わかやま国体に間に合わせる。御坊の〝玄関口〟として高齢者や障害者はもちろん、国体関係者らの利便性向上に期待がかかる。
 バリアフリー化の総事業費は3億6000万円で、うち事業主体となるJR西日本が3分の1を負担。残りは国が3分の1、地元自治体の御坊市と和歌山県が合わせて3分の1を補助する。市と県の予算は本年度当初議会で計上。市には御坊ロータリークラブから200万円の寄付も入った。国は本年度で1000万円を計上し、27年度に残りの1億1000万円をつける予定だったが、国体の選手ら多くの人がJRを利用することが予想される中、27年度分の予算を前倒しで計上し、国体までの完成を目指すことになった。現在、JR御坊駅は線路をまたいでプラットホームを移動するため階段を利用しなければならず、バリアフリー化のメーン工事としてエレベーター2基を設置する。駅出入り口へのスロープ設置や多機能トイレなども整備する。
 バリアフリー化はおととし9月、御坊の商店街や御坊商工会議所、各種団体が1万2926人分の署名を添えて御坊市に要望していた。国の補助要件は一日当たりの乗降客が5000人以上の駅となっていたが、23年度に緩和されて3000人以上となった。御坊駅の24年度実績は3525人で要件を満たしている。