きょう30日を最後にプラネタリウムと観望会を休止する日高川町和佐、かわべ天文公園について29日、役場で開かれた宿泊施設等運営協議会のなかで、町執行部は「今後の方向性は決まっていないが、閉園する考えはない」と継続する方針を強調した。委員からは再開へ賛否さまざまな意見が出されたが、プラネタリウム・観望の両翼が奪われた年間約2000万円以上の赤字施設の今後が注目される。
 天文公園は、平成8年に開園。ことし4月から㈱本家さぬきやが他の町内10施設とともに指定管理者となっている。開園以来、親しまれていたプラネタリウムと観望会は、今月いっぱいで天文担当の技術職員が退職するため、開催が不可能な状況となった。今後の再開については、技術職員がいない上、老朽化が著しいプラネタリウムの投影システムの更新費に1億2000万円が必要なことからめどは経っておらず、町側も今後の方針について検討を進めている。
 この日の協議会では、天文公園について委員からさまざまな意見が寄せられ、「こんなにいい施設があるのに休止は残念。一般の人や天文が好きな人たちの協力の下、イベントを開催するなどみんなで施設を支えるやり方はどうか。みんなで施設を盛り上げることでPR効果も出てくるはず。さぬきやさんには、みんなが関われるような運営をお願いしたい」と再開を望む委員も。その一方で、「早くやめて正解。教育施設というが、どれだけ町の子どもたちの学力が上がったのか。新たに専門職員を雇うことも、再開することも反対。費用対効果がなさ過ぎる」と厳しい意見も上がった。「教育施設を観光施設と位置づけることに無理がある。教育施設なのだから黒字になるはずはなく、さぬきやさんに運営を任せるのは気の毒。指定管理の施設から外してあげてほしい」との声も聞かれた。
 町側は「町では明確な方向性は出していない。観光施設としての位置づけか、研究施設として学校関係や団体に利用してもらうのかなどさまざまな観点から検討していきたい。プラネタリウムと観望をどうするのか、抜本的に考えて結論を出さねばならないが、店じまいする考えはない。皆さんに意見をいただきながら考えていきたい」と理解を求めた。
 12月以降は、プラネタリウムと観望以外のレストラン、宿泊、公園(広場など)の各種業務はこれまで通り営業する。(11面にさぬきや上半期実績)