日高川町和佐、かわべ天文公園のプラネタリウムと観望会が12月から休止することが分かった。2人いた天文担当の技術職員の1人が8月末に退職、もう1人の技術職員も今月いっぱいで退職することになり、プラネタリウムと観望会の開催ができなくなるためで、平成8年の開園から19年目にして休止を余儀なくされた。
 天文公園は現在、委託先の㈱さぬきやが他の町内観光十数施設とともに管理・運営している。口径1㍍望遠鏡などの設備を備えた全国屈指の天文施設で、プラネタリウム観賞に宿泊までできる教育、観光の両面の要素を兼ね備えている。プラネタリウムについては毎年4回、技術職員が番組を自主制作。四季折々にちなんだ星空や話題の天体を紹介するなど、開園以来親しまれていた。観望会は、口径1㍍望遠鏡など使って毎年の中秋の名月をはじめ、皆既月食、金環日食など各種天体ショーの際に開催。宿泊客相手にも夜空を紹介していた。
 今後の再開については、技術職員がなくなる上、プラネタリウムは投影システムの老朽化が著しく故障しがちで、1億2000万円の更新費が必要なことからめどは経っていない。日高川町ではプラネタリウム、観望の両部門の運営について検討を進めており、これまでのように町が技術職員を雇用するのではなく、施設の利用を希望する学校関係や団体などへの貸し出しも視野に入れているという。
 プラネタリウムと観望以外のレストラン、宿泊、公園(広場など)の各種業務はこれまで通りに営業する。