西アフリカを中心に流行しているエボラ出血熱の県内での患者発生に備え、県は緊急に患者搬送車2台を購入することを決めた。
 搬送車はエボラ出血熱患者、もしくは感染の疑いのある人が車いすのまま乗り込めるタイプで、2台ともパワーリフト付き。車いすごと患者をビニールシートで覆うアイソレータ装備がセットとなる。
 県内には現在、岩出・橋本、御坊、新宮・串本の3医療圏に寝台型の患者搬送車が配備されており、今回購入する2台は田辺、新宮・串本に配備し、新宮・串本の寝台型搬送車は海南・湯浅医療圏(湯浅保健所)に回し、県内5医療圏に配備されることになる。
 このほか、患者の搬送や消毒の際に必要な防護服等も1200セットを購入。搬送車、アイソレータなども合わせた総額は約1770万円となり、12月補正を待たず予備費で購入する。
 県内でエボラ出血熱の患者や感染疑いの人が出た場合、すべて和歌山市の日赤和歌山医療センター(第Ⅰ種感染症指定医療機関)に搬送。県健康対策課は「県内では流行国から帰国し、入国の際に発熱はなかったが、県内に戻ってから発熱等を訴えるケースが想定される。その場合は重症ではないので、遠距離の移動は寝台より車いすタイプの方が楽なため、今回購入する2台は田辺と新宮・串本医療圏に配備することにした」と話している。