津波防災の日の5日、御坊市内の東春日会(宮本保昭会長)は初の夜間津波避難訓練を行い、住民の約3分の1となる148人が御坊中学校屋上まで避難した。
 地震が発生し、午後7時に揺れが収まったと想定。住民らは学校から450㍍離れた2カ所と300㍍離れた場所の3カ所に集合し、避難開始。お年寄りや子どもを想定して車いすやリヤカーも出し、懐中電灯などを使って暗い夜道を確認しながら進んだ。御坊中に着いてからは階段で屋上まで上り、約11分後に全員が到着した。避難後、同校体育館で防災教室を開き、市役所職員や御坊警察署から話を聞いた。同会では「今後はもっと多くの住民が参加するよう、300人を目標に訓練を続けていきたい」と話している。
 この日は新町の至誠会自主防災会(塩﨑弘直会長)も夜間訓練を行い、住民約80人が薗地内のNTT御坊別館ビルまで避難した。
 津波防災の日は平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による甚大な被害を踏まえ、同年6月に制定された「津波対策の推進に関する法律」により、広く津波対策についての理解と関心を深めようと制定。1854年11月5日に発生した安政南海地震の際、稲に火をつけて逃げ遅れた人を高台に避難させたことで知られる「稲むらの火」にちなんで11月5日になっている。