みなべ町が合併10周年記念事業で取り組んだ住民アンケートの結果がまとまった。合併後の10年間を振り返る設問で、「よかったこと」では梅産業の一体化などの声があり、逆に「悪かったこと」では町職員の不祥事などがあった。行政への提言としては少子化問題、産業、防災などへの対応を求める意見がみられた。
 アンケートは5月30日に町内の約4750世帯に1部ずつ配布。期間は7月15日までの約1カ月半とし、庁舎、各公民館に投函箱を設置して回収した。全体の0・7%に当たる33部が回収され、意見をまとめた。
 設問は「合併してよかったと感じること」「合併して悪かったと感じること」「今後のまちづくりへの提言」の3項目。「よかったこと」の主な意見では、「梅産業に対する理解が深まったこと、梅の消費拡大のPRなどが一体的にできるようになった」「両町村の施設が相互に利用できる」「旧南部町で学校給食が実施された」「田辺中心の巨大合併ではなく、行政が住む人の顔を知ることができる合併だった」など。悪かったことでは「子どもの検診などが場所的に遠くなり、不便になった」「下水道使用料が高い」「町職員の不祥事が多発した。勤務態度の横柄な職員もいる」「庁舎の統合が旧南部川村の住民に不便を来していることもある」などだった。「まちづくりへの提言」では、「若者の雇用の場の確保、工場の誘致」「少子化問題への対応、婚活への積極的な関わりを」「梅以外の特産物の育成を」「防災対策の避難訓練以外の対策実現を、高台への避難場所等の整備を」「梅干し価格の回復への対策、南高梅を全国に宣伝、梅産業の振興を」などが挙げられていた。町では「今後の施策の参考にしていきたい」と話している。