廃棄物処理企業大栄環境㈱(本社=大阪)が御坊市塩屋町南塩屋(森岡区)に計画している「御坊リサイクルセンター(仮称)」は、ことし11月からいよいよ建設工事がスタートする。中間処理と民間で県内初の管理型となる最終処分場を併設した施設で、陸上埋め立てでは県内最大規模。周辺住民から環境への懸念で反対運動が起きた経緯もあり、森岡区が誘致表明して以来、実に7年を経ての着工となる。完成は平成28年8月を予定している。
 同センターは御坊総合運動公園東にある山間部の区有地に建設。全体面積は25万7112平方㍍。うち中間処理施設の敷地面積は8000平方㍍で、①がれき類②ガラスくず③金属くず④廃プラスチック類⑤ゴムくず⑥木くず⑦紙くず⑧繊維くず――の8品目を取り扱う。一日当たりの選別能力は126・1㌧、破砕能力は146・4㌧(硬質系)、31・2㌧(軟質系)、圧縮梱包は33㌧。最終処分場は埋め立て面積が6万4958平方㍍、埋め立て容量が134万4835立方㍍。中間処理施設でリサイクルできなかった廃棄物や残渣(ざんさ)を埋め立てする。約10年間で満杯になる見通しで、埋め立ての跡地を活用した公園整備なども視野に入れている。地元雇用については、当面中間処理工場の作業員らとして20人から30人を予定している。同センターの施工は㈱大林組。
 森岡地区では平成19年11月に同センターの誘致を表明。「環境保護」「地元雇用の優先」「防災調整池の整備」の3点で大栄環境と協定を結んだ。一方、塩屋町の住民が周辺環境や遮水シートへの不安、近くにある給食センターへの影響などを訴えて反対運動や提言を行った。そんな中、県は昨年3月末に安全面、事業者に問題がないと判断して建設にゴーサイン。10月には大栄環境が御坊市と環境保全協定を締結していた。
 着工に際し、建設を推進してきた森岡区の山田裕司区長は「業者には環境保護を徹底していただきたい。雇用の面でも期待している」とコメント。柏木征夫市長は「環境保全協定を着実に履行、順守させるよう指導したい」としている。また、地元環境を守る会(元産廃の中止を求める塩屋の会)の塩谷真一代表世話人は「県の許可からかなりの時間が経っているだけに悔しさと落胆が入り交じったような感情。しかし、私たちが主張した環境保全対策が実行されるよう今後も取り組みたい」。大栄環境は「地域とともに歩みながら、資源循環型社会形成の一翼を担うべく『環境創造企業』として進化していきたい」と話している。