JICA(独立行政法人国際協力機構)関西が受け入れたマレーシアの研修員15人が21日、日高高校を訪れ、生徒との交流、教職員との意見交換等で日本の学校教育、生徒指導のあり方などを学んだ。生徒との交流では、10月のアジア高校生フォーラムで英語のディスカッションに参加する生徒たちが、日本の文化や観光についてプレゼン。終了後は御坊市内の日高別院、農産物直売スーパーなども訪問した。
 訪れたのは、経済連携研修プログラム(EPP)の一環で、中間管理職のための指導者研修に参加しているマレーシアの公務員。省庁や大学の職員が多く、今月19日から来月上旬まで日本に滞在し、関西と関東の大学や歴史関係団体、人事院、大手空調メーカーなどを訪ね、日本の文化、経済、政治から組織の運営、人材育成について学ぶ。
 日高高校では、10月に開催する同校創立100周年記念事業「アジア高校生フォーラム」の実行委員会の生徒ら21人と交流。生徒たちはフォーラムで他国の高校生らと英語によるディスカッションを行う予定で、この日はそのリハーサルも兼ね、「文化」「観光」「環境」の3つのテーマのグループごとに英語でプレゼンテーションを行った。
 観光のグループは、外国人が日本を知るための「心がつながるおもてなし」は何かを考え、大阪の都心のビルやお好み焼き、100円ショップ、高野山の宿坊や座禅など、外国人が喜ぶと思うスポット、食べもの、体験を紹介。また、研修員側のリクエストで、日本の教育、高校生の学力水準の高さなどに関して教職員との意見交換も行われ、日高高校の山﨑一生教頭が「日本の教師は学校の授業だけでなく、部活動を通じて生徒とかかわり、学校以外の生活面でもしっかりフォローしている。そんな教師の努力、生徒との心の距離の短さも、生徒たちの学習意欲の向上につながっているのでは」などと話した。
 御坊市藤田町の農産物直売所「よってって」では旬の梨やぶどうを買い求め、たこ焼きを買った男性は「大阪名物のたこ焼きはマレーシアでも人気があります。とってもおいしいです」と笑顔をみせていた。