日高建設業協同組合(仲修美理事長)が、南海トラフの巨大地震を想定した「BCP(事業継続計画)」の策定を進めている。御坊市薗地内にある組合本部事務所は、災害時のスムーズな復旧支援に各支部や行政との連携拠点となるが、津波浸水が予想されているため、もしもの場合でも本部機能を確保できるよう対応策をまとめておく。県内の建設業組合では初の試みで、完成は9月末。
 BCPは、企業が何らかの災害などで被害を受けても、事業を継続していけるようあらかじめ立てる計画。近年、鳥インフルエンザや大規模災害の発生が問題視される中で、策定する企業が増えている。日高建設業協同組合で進めているBCPは、巨大地震に対応するための計画。災害復旧の中枢機能を果たす本部事務所が浸水した場合に代替となる施設や機材の確保、職員の対応、7つの支部(組合員は104社)や行政との連絡など、時間経過に応じて事細かに対策を盛り込む。
 策定に向けては㈱古部組の代表取締役社長で、すでに自身の会社でBCPを策定した仲理事長が、「計画をつくることが災害に対する準備や勉強にもなる」などと提案した経緯がある。さらに策定業務はコンサルに委託するが、計画の検証などの際には組合青年部(45歳以下)に参加してもらい、それぞれの会社でのBCP策定に役立ててもらう狙いもある。
 同組合では昨年、災害時に各支部や行政との連絡手段として活用できるよう、衛星電話10台を購入するなど災害対策に積極的。復旧の際には組合業者のスムーズな支援が求められるが、こういった取り組みは地域住民にとって心強い味方となりそうだ。