日高川町で開かれた少年メッセージ2014県大会を取材した。各地方大会で入賞した日高地方4人を含む18人の中学生がそれぞれに思いを述べた
 日高地方の4人は、1人が最高賞の金賞、2人が銅賞、1人が入賞。個性あふれる発表で、金賞の望月春菜さん(日高附属3年)は、国際交流への夢を「虹の架け橋」という独自の明るいイメージでアピール。冒頭でネルソン・マンデラの「虹の国をつくろう」という、差別のない世界への希望を語る言葉を引用したのも印象に残った。銅賞の大樫ももさん(清流3年)は「英語を学び、人間性をも磨き、将来は世界で活躍したい」という大きな夢を、実際に英語を交えながら表情豊かに力強く発表。同じく銅賞の尾上幸平君(早蘇3年)は剣道で学んだ日本人の心について、それを体現するかのように背筋をすっと伸ばして歯切れよく発表していた。入賞の森楓さん(中津2年)は亡き祖父との絆、新しい生命の誕生を支える助産師という将来の夢を「受け継ぐ」というキーワードで結んだ独自の視点が素晴らしく、ゆったりと落ち着いた話しぶりもよかった
 書かれた内容と同時に、実際に聴衆を前に語る時の話しぶり、表現力が審査の対象となる。目の前で自分の言葉に耳を傾けている人の心を、確実につかめているか。望月さんは受賞のコメントで「最初は緊張したけど、だんだん楽しくなった」と語ってくれた。聴く人の心をつかむことができた、その手応えを感じられた証だろう
 表現する楽しさを知ることは、社会を生き抜く力をつける第一歩。自身の思いを的確に伝えるコミュニケーション力は、いろんな局面で有効に働く。誰とも似ていない独自のやり方で自身思いを表現できた中学生達の姿に、頼もしさを感じた。    (里)