南部川漁業協同組合(永井誠組合長)と県内水面漁業協同組合連合会は22日、みなべ町西本庄地内の河川敷で水生生物を学ぶ「南部川体験学習会」を開催。町内の小学生約150人がアユのつかみ捕りなどで自然の生き物に触れた。子どもたちは5㍍四方の水槽の中に入り、逃げるアユを追いかけて奮闘した。「川にすむ生き物」をテーマとした水辺の教室も開かれた。
 子どもたちに水辺の生き物を知ってもらい、自然を大切にする心を育てようと毎年開かれている。最初に永井組合長が「自然の生き物に触れながら夏休みのひとときを楽しんで下さい」とあいさつ。アユのつかみ捕りでは河原に設置したビニールシートの水槽に元気なアユが放たれ、子どもたちが素手で捕まえた。アユは早速地元特産の備長炭で焼かれ、子どもたちは夏の味覚を楽しんだ。南部小学校5年生の池田聖生君は「捕まえるのにちょっと時間がかかった。塩焼きのアユはとてもおいしかった」と笑顔で話し、夏休みの思い出をつくっていた。
 水辺教室では、県水産試験場の葦澤崇博主任研究員が川にすむ生き物について説明。上流域、中流域、下流域にそれぞれすんでいる魚を紹介し、「川に生物がたくさんすめる環境を保全し、守っていくことが重要」と述べた。日高川漁協の前田豊温参事はウナギやアユの一生について話し、「ウナギは太平洋のマリアナ海溝で産卵。アユは河口域で約3万個の卵を産む」などと説明した。話を聴いたあと、7~8㌢程度の稚アユ約2000匹も岸辺から放流した。