夏休み中に児童たちが水の事故に遭わないようにと、みなべ町の清川小学校(玉置敏与校長、児童52人)は1学期最終日の18日、同校プールで着衣水泳を学習した。長袖長ズボンの体操服を着たまま水に入り、普段通り泳げないことを体験した児童たちは、「クロールより平泳ぎの方が進みやすい」などよりよい対処の仕方を勉強。ペットボトルやクーラーボックスなど身近なものが浮き輪代わりになることも学び、命を守る知識を身につけた。
 川や海辺で遊んでいて誤って転落した時にも冷静に対処できるようにと、同校では昨年から着衣水泳に取り組んでいる。
 体操服を着たままプールに入った児童たちからは「重たい~」の声が聞かれ、水着とはまったく違う感触を実感。まずクロールを実践すると服が重たくてなかなかうまく泳げず、次に平泳ぎを試してみると「こっちの方がやりやすい」と笑顔。もしものときはクロールで速く泳ごうとせず、ゆっくりと平泳ぎすることが大切ということを身をもって学んだ。
 続いて身近な物が浮き輪代わりに役立つことを知ってもらおうと、ペットボトルを使って1分間浮くことにチャレンジ。仰向けになって胸の上でペットボトルを持つ「ラッコスタイル」が浮きやすく、服の中に入れるのも有効だと分かった。クーラーボックスや、ひもをくくりつけたペットボトルを投げて友達を助ける方法にも取り組み、楽しみながら知識と技術を身につけていた。6年生の清水大成君は「平泳ぎがやりやすかったし、浮くのはラッコの格好が一番楽だった。いざという時にちゃんとできるかどうかはわからないが、海や川で自分や友達が危ない目にあったら、体験したことを生かしたいです」と話していた。玉置校長は「一度でも体験しておく方が、とっさの事態に対応できると思う。川や海にはまってしまったらどうすればいいかという判断力を養ってもらいたい」と力を込めて話していた。