第96回全国高校野球選手権和歌山大会は17日で前半戦が終了。地元勢では日高中津、南部、紀央館が勝ち残っている。
 前半戦を振り返ってみると、日高中津はエースが大会直前の故障で戦線離脱のアクシデントに見舞われたが、選手層の厚さを見せて初戦を完封勝ちした。エースの代わりにマウンドに立った2人の投手はそろって好投。バックも素晴らしい守備で支え、総合力の高さをうかがわせた。南部は伝統の積極的な攻撃がことしも健在。昨年準優勝に貢献した2投手も安定感抜群の投球を見せ、1時間27分の雨天中断もなんの、見事な戦いぶりで初戦を飾った。強豪が集まる大激戦ゾーンに入るが、勢いに乗ったナインならノーシードから一気に勝ち上がっていきそうなムードがある。紀央館は延長11回、2時間47分の大熱戦をものにした。リードしながら2度追いつかれる苦しい展開で11回には三たび同点のピンチを迎えたが、凌ぎきった。昨年夏の経験者がずらりとそろい、あせらずにプレーできたのが好結果につながったと感じる。
 敗れた3校。和高専はエースの奮闘と主砲を中心としたここ一番の攻撃が光り、古豪相手に大健闘した。日高は開幕カードを逆転で制したが、2回戦で思わぬ大差敗退。自慢の打線が本来の実力を発揮できなかったのが残念だ。南部龍神は初戦をサヨナラ勝ち。2回戦はコールド負けも1、2年生主体のチームではつらつとした戦いぶりが目立った。
 熱戦は19日に再開、3回戦へ突入。この3連休には地元勢も連日登場する。「記録より記憶に残る大会に...」との選手宣誓で始まった熱戦。後半戦も地元勢には白熱の好ゲームを期待したい。  (賀)