第96回全国高校野球選手権和歌山大会5日目の15日は2回戦3試合があり、第2試合の紀央館は延長11回の攻防を粘り強く制し、2時間47分に及ぶ熱闘の末に神島を破った。大会6日目の16日も2回戦3試合が行われ、第1試合に日高が登場。日高は2回に大量点を奪われると波に乗れず、自慢の打線も散発3安打に封じられ、貴志川に思わぬ7回コールド負けを喫した。
 紀央館は初回2死二塁から主砲・久保の中前適時打で先制。4回には四死球と野選で1死満塁とし、森が押し出しの四球を選んで労せず追加点を奪った。同点で迎えた8回は、森の左前打を足掛かりに2死三塁と攻め、久保の三ゴロが敵失を呼んで勝ち越した。
 最終回に再び追いつかれ、嫌なムードが漂う延長戦では11回に打線が奮起。無死から嶋津の内野安打と犠打で1死二塁と好機をつくり、廣野が右越えへ痛烈な当たりの三塁打を放ってまず1点。続く西川が投前へ見事にスクイズを決め、2年連続の初戦突破をぐっと引き寄せた。
 紀央館先発の廣野は4回まで1安打に抑えるなど完璧な立ち上がり。5回に死球と左翼線二塁打でピンチを招いて降板した。無死二、三塁から救援した2番手・竹中は1死後、右犠飛と中前適時打を許したが、6回は無失点で切り抜け、公式戦初登板という緊張のマウンドを同点のまま踏ん張った。7回から3番手として投入されたエース・楠岡は土壇場の9回1死二塁から同点の右前適時打を浴びたが、10回にはサヨナラのピンチを凌いで試合の流れを引き戻した。2点のリードをもらった11回、1死から左前打、右中間適時三塁打で詰め寄られるも、次打者の投前へのスクイズは見事なグラブトスで本封。最後の打者を三振に仕留め、リードを守りきった。
 紀央館の3回戦は大会10日目の21日、第2試合(午前11時半~)となり、星林―南部龍神の勝者と顔を合わせる。
 日高は2回1死から連続で打ち取った当たりが安打となり、一、三塁のピンチ。続く打者には左越えへ適時打を許し、さらにバント安打と一塁線への二塁打で2点を追加された。四球後、今度は三塁線を破られる二塁打で2点を献上し、先発・西浦が降板。2番手・上田は三振を奪ったあと、連続適時打を浴び、貴志川の勢いを止められなかった。
 反撃したい打線は3回1死から大前がバント安打で出塁。上田が四球を選んで好機を広げたものの、関本、福田がいずれも一ゴロに倒れた。4回は無死から大山が右翼線へうまく運ぶ安打も後続が断たれ、5回は1死から大前のバント安打、犠打で得点圏へ走者を進めたが、あと一本が出なかった。6、7回はともに3者凡退。7回は1死から宮﨑、濵の代打攻勢も実らなかった。
 日高は5回にも上田が2四球から2死二、三塁とされ、左前2点適時打を浴びて意気消沈。結局、貴志川に13安打の猛攻を受け、学校創立100周年の節目を飾れなかった。