小学生のころは野球部に入り、白球を追いかける毎日。家に帰って食事をとると適度に疲れているためか眠くなり、いつも午後9時ごろには就寝していたように思う。仮に夜更かしがしたくても体がいうことをきかず、できなかった。早く寝て、早く起きる。そういうリズムでずっと生活していた。
 白崎小学校で開かれた教育講演会で、南和歌山医療センター小児科医の星野恭子さんの講演「めざせ!!健康生活 早寝・早起きで笑顔の一日」を取材した。星野さんによると、子どものころの筆者のような生活を「命のリズム」と呼んでいるそうで、体の成長や脳の発達にとても大事なことと強く訴えていた。星野さんは睡眠不足の子どもは「学力低下」の恐れがあるほか、イライラしたりキレやすいといったことも指摘。「赤ちゃんも脳の発達に遅れが出てくる。5歳になっても三角形を描けない子がいる」という話もあり、最近子どもが生まれたばかりだけに少しドキッとさせられた。
 いまは夜9時をすぎても子どもも観られるテレビ番組が毎日放映されている。さらに、いろんなゲームが普及し、テレビ画面だけでなく携帯などでも楽しめるようになった。子どもたちはいつでも夜更かしをできる状況にあり、「命のリズム」を崩すケースが増えてきているのだろう。
 「子どもは野放しにしたら、どんどんゲームをやる」と星野さんがいうように、社会環境が大きく変わったことで「子どもたちを守る」ためには大人の責任が一層重くなってきている。白崎小の講演には保護者も参加したが、各家庭でも「命のリズム」について話し合う機会を持つことが大事だと思う。    (賀)