「梅の日」の6日、みなべ町西本庄の須賀神社(楠本誠二宮司)で記念日にちなんだ式典が行われ、地元関係者ら約40人が産地の発展を祈願した。紀州みなべ梅干協同組合の小山豊宏組合長理事はあいさつに立ち、「価格の低下や販売不振などの問題があるが、産地の振興に向けて努力していこう」と述べた。
 紀南地方の梅の関係機関で構成する紀州梅の会が主催。梅に携わる加工業者、農家、行政などの関係者が出席し、産地の一層の発展を願った。本殿では楠本宮司と前芝弘知禰宜(ねぎ)が神事を執り行った。供物として青梅が供えられ、出席者が玉串をささげて祈った。小山組合長理事は「梅には血流改善や疲労回復などの効果がある。そうした機能性を梅製品に表示できるように、先日国会議員の先生にもお願いした。そうすることで消費拡大につながる」と述べた。吉本正二副町長も「関係各機関でPR活動に取り組んでいただいている。町としても機能性の研究、災害備蓄用としての梅干しをPR、梅産業が世界農業遺産に認定されるように取り組んでいきたい」と話した。このほか梅の日関連では、田辺市の本宮大社で記念行事、京都の下鴨・上賀茂神社に青梅奉納、東京の大田市場でフェアが行われた。
 「梅の日」は平成18年、紀州梅の会の申請により「梅を贈って健康を祝し、ロマンを語る日」として制定。室町時代の1545年4月17日(太陽暦で6月6日)、京都の賀茂神社の祭礼で梅が献上されたという宮中の「御湯殿上日記」に書かれている故事にちなんでいる。