利用が年々減少しているみなべ町のうめ振興館を有効利用しようと、住民で結成する活用検討委員会が先月に発足。これまで2回の会合が開かれた。同館は平成9年に建設されたが、近年、来館者数は減少しているのが現状。オープン当初は有料だったが平成16年に無料化し、18年には2万3568人が来館。だがそれがピークとなり、昨年は1万6611人にまで落ち込んでいる。委員会ではこうした状況を打開しようと6人の委員で協議を始めた。
 これまでの会合では、まずは住民から広くアイデアを募集することを決定。来年の1月から3月まで町内外を問わずに募る。また、来館者が多い観梅時期にアンケート調査も実施する。より広く意見を求めるために、6人の委員以外にオブザーバーを公募することも決めた。うめ振興館の運営にアイデアを出し、町のためにと思う人はぜひとも応募してもらいたい。応募内容については1月の町広報誌に掲載される。
 しかし、大きな壁となっているのが使い方を自由に変えられないということだ。建設時に国の補助金を活用しているため、目的外の使用は難しくなるという。同館は3階建てだが、特に1・2階の資料館については大きく変化させるのは困難だという。新しい活用には縛りがかかり、羽交い絞めの状態になっているといえる。
 しかし、行政の方から住民へ「アイデアを出してもらい利用者減に歯止めをかけてほしい」と呼びかけている案件。住民が行政と一緒になって施設のあり方を検討できるいい機会だ。各委員が中心となり、大勢の知恵を生かしながら町のシンボルの再構築に向けてメスを入れてもらいたい。 (雄)