新年まであと半月と迫り、みなべ町埴田、鹿島神社本殿の大しめ縄が15日、新しく掛け替えられた。近くに住んでいる中川敏夫さん(76)らが編んで寄贈。65年ほど前から中川家が掛け替えを行っており、ことしも立派なしめ縄が登場した。敏夫さんは「毎年作業をさせて頂き、ありがたい。これからも代々受け継ぎ、末長く続けていきたい」と話している。
 敏夫さんの父、義太郎さんが昭和20年ごろから大しめ縄づくりを行っていたが、平成2年6月に80歳で他界。その前から作業を手伝っていた敏夫さんがあとを引き継ぎ、親子二代にわたって大しめ縄の掛け替えを行っている。わらは、十分な長さのあるもち米のわらを使用。中川さんがこのしめ縄に使うためにもち米を栽培して確保、9月に刈り取ったあと雨のかからない場所で保管している。今月初めから息子の善太郎さん(49)らとわらをたたいて軟らかくするなどの準備を行っていた。
 この日の仕上げ作業では、親戚ら10人も参加。午前8時ごろから神社近くの自宅でわらを継ぎ足しながら編んでいき、長さ約3㍍、重さ20~30㌔の大しめ縄が完成。神社に運び込み、脚立などを使って本殿に取り付けた。長さ約3・5㍍の鈴緒も同時に新調した。中川さんは「神社に飾るしめ縄を扱えるのは大変ありがたいこと。今後も続けていきたい」と話している。