ノロウイルスによる食中毒が増える冬場を控え、御坊保健所と日高食品衛生協会が27日、御坊市民文化会館小ホールで予防講習会を開き、汚物処理や正しい手洗いを見本を見せながらアドバイスした。
 正しい対策を学んでもらおうと初めての試み。保健所管内の学校給食調理員や介護施設職員ら約100人が参加した。保健所衛生環境課の玉置敦子さんがノロの基礎知識として「ウイルスは非常に小さく、手に付着すれば手のひらの1本のシワに数十万個いる。アルコール消毒は効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムを使うことが重要」などと感染力の強さを強調。症状が治まってからも3週間程度は便からウイルスが排出される特徴もあり、「おう吐物などの正しい処理と、治ってからも入念な手洗いが2次感染拡大を防ぐポイント」と紹介。汚物処理は参加者と一緒に実践し、手袋は2重に着用する、汚物を新聞かキッチンペーパーで覆って消毒液をかける、汚物を入れたゴミ袋にも消毒をかける――など正しい方法を解説した。食品衛生協会のメンバーも協力して、正しい手の洗い方も指導した。
 御坊市内の特養老人ホームで看護師をしている女性(51)は「予防法を知るいい機会で、勉強になった。職場の仲間にも伝えたい」と意識を高めていた。