美浜町和田から日高町方面へ南北に通る県道の拡幅改良工事で、一部地権者との用地交渉が進まず、途中の約100㍍区間の道幅が狭くなっており、住民から早期の全面改良を望む声が高まっている。現場は道幅が狭いだけでなく、北進車に対しては左側の町道からの坂道がはみ出た形でそのまま残存。昼夜を問わず交通量が多い基幹道路でもあり、「このままでは大きな事故が必ず起きる」と危険性を指摘する声も多い。
 美浜町和田の中央公民館前から北の日高町小池方面へ真っすぐ伸びる県道柏御坊線。問題の現場は和田地内の同公民館北側にある常徳寺前の約100㍍区間、この部分だけは北進車線がない形で、実質、1車線となっている。公民館前から寺の南側までは幅が広くなり、歩道も整備されているが、寺南側の町道の底地が一部私有地で、この用地の交渉が進まないため、寺南側から坂道(町道)がはみ出た形で残っている。
 県は交通事故防止のため、北進車に対して坂の手前にポールを立て、道には幅員減少を示す矢印表示をしているが、初めて通るドライバーは「この道、どうなってんの?」とびっくり。地元の人らは「このままではいつか大きな事故が起きる」と不安を募らせており、31日夜に美浜町が開いた町政懇談会(25人が参加)では住民から「北進車が右側へハンドル切るため、道沿いの家やアパートへ突っ込むような事故も心配。実際に自転車の子どもが車とぶつかりそうになるのを見て、ヒヤッとした経験がある。(問題解決に向けた県と地権者との)話し合いは進んでいるのか」という声があった。
 交渉がまとまる見通しは立っておらず、町議会9月定例会では強制執行も含め、町も県とともに積極的に交渉にかかわるべきという意見が出され、森下誠史町長は「地権者との話し合いにはいつでも出る用意はある」と答弁。31日の懇談会で町は「9月議会のあと、県の本庁の課長も現場を調査に来た。仁坂吉伸知事の判断に関する正式な話は聞いていないが、県は最終手段(土地収用)も視野に入れて取り組んでいくと聞いている」と答え、今後は交通事故防止のため、注意喚起を強化する現場の安全対策を求めていくとしている。