財団法人日本青年会館の第62回全国民俗芸能大会「北から南から~感動は今、時を超える~」が11月23日、東京の同会館大ホールで催され、御坊市から地元有志でつくる戯瓢(けほん)踊保存会(原多美男会長)が出演する。和歌山県無形文化財第1号のけほん踊りを披露する。400年以上の歴史を持つけほん踊りが、関東で踊られるのは初めて。
 同大会は全国各地の伝統芸能を紹介、保存していこうと毎年恒例。ことしは戯瓢踊保存会のほかに、福島県広瀬熊野神社の御田植、山梨県一之瀬高橋の春駒、福岡県の豊前神楽も出演する。けほん踊りは御坊市の小竹八幡神社秋季祭礼「御坊祭」で奉納される踊り。中世念仏踊の系統を引く踊りで、ひょうたん、 太鼓、 鼓、 鉦(かね)を持ち、踊り歌をうたいながら向かい合ったり、輪になったりしながら踊る。「けほん」とは念仏踊を踊る鉢たたきたちが、ひょうたんをたたきながらはやす言葉「きょひょん」に由来すると言われている。
 本来、けほん踊りの踊り手は、小竹八幡神社の氏子組である御坊町の50歳以上の男子に限られていたが、氏子意識の低下などで昭和33年を最後に中断。41年に踊り手をすべての青年男子の氏子から広く募って保存会が結成され、現在まで継承されている。保存会ではこれまでにも45年の大阪万博、49年に愛知県で開かれた第16回近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会、平成10年に大分で催された第13回国民文化祭などに出演した経緯があるが、関東エリアでの舞台公演は初めて。地元伝統芸能の発信に一役買ってくれそうだ。当日は3番目の出演で、文化庁文化財調査官の吉田純子さんが歴史の解説を行う。会長以外の保存会メンバーは次の皆さん。
 玉置章吉、福田正明、堀田幸弘、中村義男、土岐忠美、市田吉彦、中島幹夫、木村洪平、佐藤武俊、玉置幸史、岩中昭英、伊奈隆司、松本隆史