衛星電波を活用してビルの中のどの方向の何㍍先に敵がいるかを探知して現場の突撃部隊に携帯電話を通じて指示を出す、主人公は真っ暗闇の中でも的確に敵を狙撃する、少し前に流行ったアメリカのドラマ「24」でよく見たシーン。いくらハイテクの時代でもそこまでできないだろう、いやアメリカなら実際にそれくらいのことを実践しているのでは、どちらの意見も正しいと思わせる現実的で空想的な内容が興味をそそった。いまはまだ実用には至っていなくても、近い将来実用化されそうなリアルさが人気の秘訣だったのだろう。ドラマの世界までいかなくても、いまや犯人を追い詰めるのは最新のテクノロジーと、それを扱う人間の能力にかかっているといっても過言ではない。
 身近なところでは先日、和歌山市のぶらくり丁商店街で防犯カメラが高機能化されたと大きく報じられていた。いまや日本でも繁華街を中心に防犯カメラの設置が当たり前の時代になった。映像が犯人検挙の決め手となったり、犯罪の発生自体を防ぐ抑止効果があるのは間違いなさそう。だからといって全国的に検挙率が上がっているのかという声もあるが、個人的にはもっと普及させる必要があると思っている。
 日高地方では印南町でことし8月、連続不審火があった。地元住民からは防犯カメラがたくさんあれば不審者を捕らえられたのではとの声を多く聞いた。殺人事件や死体遺棄など昨今の事件を見ていると、田舎であっても犯罪は都会と同じであり、いつ何が起こってもおかしくない。地域住民を脅威から守るためにも、遅れている日高地方で普及させる必要がある、そんな議論が出てきてもいいと思うが。   (片)