県と日産自動車㈱(本社・神奈川県)は共同で、田辺市龍神村福井、道の駅「水の郷日高川 龍游」に電気自動車・プラグインハイブリッド車の急速充電器1基の設置を支援する。重点整備対象「X軸ネットワーク道路」が交差する地点で、電気自動車の普及に役立つ環境を整える。22日に岩出市で会見があり、同社の志賀俊之最高執行責任者は「自然豊かな龍神を、環境にやさしい電気自動車で訪れてほしい」と話した。
 道の駅「水の郷日高川 龍游」は国道424号沿いにあり、県のX軸ネットワーク道路の中心付近。県は次世代自動車充電インフラ整備を進めており、県内では主要高速道路などのサービスエリアやガソリンスタンドなど17カ所に急速充電器を配備しているが、今後も環境保全やエネルギー確保を行うためインフラ整備を進めていく方針。
 一般的に、急速充電器は空の状態から15~20分程度で8割程度補給できるといわれている。設置場所の小売店などでは集客や滞在時間が長くなるため、消費増につながるという。
 村内に急速充電器が設置されるのは今回が初めて。費用は570万円で、全体の3分の2が国、4分の1が日産自動車、残る12分の1が県の補助となる。今後入札などを行い、本年度中に設置される。
 会見では、仁坂知事が県内の整備状況などを説明し「電気自動車が手軽になりつつある時代。普及させるためには充電器の整備が必要で、今後も設置を進め、将来的には主要幹線道路の20㌔に1カ所程度設置したい」と述べた。和歌山県出身でもある志賀氏は「日産自動車が支援して設置するのは全国で初めて。和歌山県で最初に実施できて、とてもうれしく思う。龍神をはじめ高野地域など、県内には豊かな自然を満喫できる場所が多い。排気ガスの出ない、環境にやさしい自動車に乗ってドライブを楽しんでもらいたい」と語った。