J1リーグ・ジュビロ磐田(本拠地=静岡県)の合宿が、4日から和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場でスタートした。初日に歓迎セレモニーが行われ、紀州梅の会副会長の小谷芳正みなべ町長が県産の南高梅の梅干し30㌔をプレゼント。チームは下位に低迷しており、小谷町長は「梅パワーで躍進してほしい」と期待を込め、夏バテ防止や疲労回復に効果がある県特産をアピールした。
 これまでなでしこジャパンやワールドカップに出場するデンマークチームを受け入れるなどプロスポーツチームの合宿を誘致している県が、積極的にアピールして今回の合宿が実現した。
 ジュビロ磐田は海南市出身で日本代表の駒野友一選手が所属している強豪だが、今シーズンは第13節を終えて勝ち点7で、18チーム中17位と低迷。日本代表のワールドカップ最終予選などの関係でリーグがしばらく中断することから、9日まで和歌山で合宿することになった。
 3日に和歌山入りした選手たちは、4日午前9時半からの歓迎セレモニーに合わせて専用バスで到着。元日本代表GKの川口能活選手らが、2年後のわかやま国体へ向けた改修で新しくなった競技場のピッチに足を踏み入れた。セレモニーでは仁坂吉伸知事が「日本代表のエンブレムに熊野三山の守り神であるヤタガラスが使われており、サッカーと和歌山は結びつきが深い。よみがえりの地である和歌山で心身をリフレッシュして、チームが巻き返してくれることを期待しています」などと歓迎の言葉を述べ、県特産の熊野牛を贈呈。紀州梅の会を代表して小谷町長も梅干しのパネルを、MF山本康裕選手(23)に手渡した。ジュビロ磐田からはチームメンバーのサイン入りユニホームが仁坂知事に贈られた。山田大記主将(24)は「素晴らしい環境でしっかりトレーニングし、よみがえった姿を見せて皆さんに恩返ししたい」と力強くあいさつした。
 小谷町長は「南高梅を提供した日本体育大学はことしの箱根駅伝で30年ぶりの優勝を果たした。疲労回復や夏バテ防止など激しいスポーツのサッカーに梅干しはぴったりなので、ジュビロ磐田も梅干しのパワーでこれから巻き返して、ぜひ優勝してほしい」と願いを込めていた。ジュビロ磐田広報担当の松森亮さんは「和歌山は気候も人もあたたかいのが第一印象。事前の打ち合わせに来たときもお土産に梅干しをいただき、大粒でおいしく、選手たちにも好評でみんな食べています。今回もたくさんいただき、本当にありがたい」と感謝していた。