この前の日曜日は母の日だった。子どもたちからプレゼントをもらった人、母に感謝の気持ちを伝えた人がたくさんいたことだろう。この母の日に花を持って家族で墓参りに行こうという活動を全国に広げようとしている若者たちがいる。JA紀州中央青年部名田支部のメンバーたちで、きっかけは親が子、子が親を傷つける虐待などのニュース。「家族愛を見つめなおす活動をしよう」との熱い思いが原動力だ。思いついたのが、愛の象徴である母。この母の日に墓参りにいって家族の愛を感じ、受け継いでいこうというのが趣旨でいつかバレンタインのように定着させるのが目標。いつの時代も母は愛に満ち、優しさと強さを持ったイメージは変わらない。
 ことしの母の日には、もう一つ母がキーワードの新しいネーミングが発表された。警視庁が振り込め詐欺に代わる名前を一般から公募し、最優秀賞が決まったのだ。ずばり「母さん助けて詐欺」。関西なら「おかん助けてくれ詐欺」にでもなるだろうか。ニュースで見たときはちょっと拍子抜けしてしまったが、覚えやすさやインパクトを考えると、とくにお年寄りには受け入れられやすいかもしれない。振り込め詐欺の被害で最も多い「オレオレ詐欺」の被害者のほとんどが女性だという。これも息子を助けたい母心が働くのだろう。
 オレオレ詐欺が横行しだしてもう10年ほどたつが、次々と手口を変えて一向になくなる気配はない。犯人にも母親がいただろうにと、甘い考えは通用しない。せっかく名前が決まったのだから、自分の親に電話でもしてだまされないよう話してみてはいかがでしょうか。被害を防ぐのに必要なのも家族愛だろう。(片)