昨年12月、自民、公明党への政権奪還が実現し、日本や地域経済への発展に期待を寄せている国民が多いように思う。しかし、考えてみればあの時の衆院選の投票率は戦後最低。いかに国民の政治離れが進んでいるというのか、政治への不信感が広がっているというのか、国民が自民、公明党に全面的な期待を寄せての政権交代というよりは、ほかに投票する党がない中で消極的な政権交代だったとも言える。
 そんな中で与党は今夏の参院選に向けてインターネットでの選挙活動を解禁する方向で協議している。これまでは選挙期間中の候補者によるネットでの投票呼びかけやホームページ、ブログ更新を禁止していたが、これを解禁するというのである。確かにこれだけネット社会が進み、パソコンだけでなく携帯電話でも簡単にネットに接続できる時代。特に政治離れが進んでいる若者層の政治への関心を高めるには、いい手段だと思う。もちろん、候補者のなりすましによる選挙妨害など、心配な面もあるが、そういったことができないような規制をきっちりして、ぜひ導入を進めてもらいたい。さらに投票率を上げる手段としてはネット投票というのもあるらしい。こちらも有権者の本人確認など問題点はあるが、実現できれば非常に便利だろう。
 いずれにしても国民の政治離れは、国の大きな問題である。もちろん、有権者自身がもっといろんな情報を積極的に集めて関心を高めることが大切。ただ、離れていく有権者の目を向けさせるのも政治の仕事の一つ。ネット選挙解禁はいいが、まず国民が不信感を持たなくていい政治、関心を持てる政治を実現してほしいと、あらためて言いたい。  (吉)