印南町の切目川漁業協同組合が、県が平成26年度中の完成目指し現在建設に取り掛かっている切目川ダムに魚道を設置しようと取り組んでおり、 今月24日には魚道の先進地である兵庫県三田市の青野ダムを視察。 筆者も同行し、 魚道の果たす役割などで説明を受けた。
 青野ダムは昭和63年に建設された武庫川の支流である黒川・青野川に建設された重力式コンクリートダム。 総貯水容量は約1500万立方㍍で、 切目川ダムの約4倍。 魚道は平成13年に全国に先駆けて整備され、 総延長726㍍、 幅3㍍となっている。
 視察では青野ダムの管理事務所職員らから説明を受け、 魚道周辺を見て回った。 魚道とは魚の遡上を促すためだけの比較的シンプルな造りのところも多いが、青野ダムでは自然環境に配慮し小石を敷き詰めるなどしており、公園を流れる小川のような雰囲気。さらに「自然の博物館」では魚道の側面が透明のアクリル板になっており、 魚が遡上していく姿が見られる。 単なる魚道としてだけでなく、 景観や水辺学習としても活用しているのが印象的だった。
 青野ダムでは安全面から見学や視察を除いて公開はしていないが、 安全面の整備を施せば、 十分に公園としての機能も果たせそうだ。 視察を終え、 切目川漁協の組合員らは切目川ダムへの設置に意欲を見せている。 切目川ダム周辺は国道の付け替えにより、 数年前より格段にアクセスしやすくなっており、 自然はどこにも負けないくらいあふれている。 魚道公園ができれば道の駅なども整備されるかもしれず、 観光面でも効果を期待できる。 予算など難しい課題もあるが、 実現することを願いたい。 (城)