政治家ほど勘が悪い人たちはいないと思い始めている。自分たちがやってきたことを問われるのが選挙。大衆迎合的でバラマキと批判された政策も国民と約束して多くの議席を獲得してしまえば、実現できなかった場合にはただの約束破りにしかならず言い訳のしようがない。離合集散、看板を掛けかえても、そんなに国民が騙されるはずもないし、選挙戦に突入してから、他党の批判に躍起になっても嫌味な悪口にしか聞こえない。選挙の前から、普通の感覚があれば分かる話である。でも、議席を守るのも半分以下に減らすのも自分たちの責任だと、与党の政治家たちには分かっていなかったとしか思えない。敗戦の弁ではまた元首相のように「国民が徐々に聞く耳を持たなくなった」と傲慢に言い放つのだろうか。
 政権交代が成った時、2大政党がよりよい政策を競い合い、この国がよくなることを期待した。逆に、次の選挙が「どっちがましか」で行われることを心配もした。個人的には後者の方になってしまったと感じている。公約を次々と破り、そう感じさせてしまった政治家は仮に落選したとしても、それ以上に責任は重い。猛省してもらいたいものだ。
 次の政権には、前政権ができなかった野党とよりよい政策を競い合うことと、その実行をあらためて願う。いくらなんでも、この2、3回の総選挙で、国民の気を引くだけで何も実現できなければあっという間に逆戻りすることは勘が悪くても痛感できただろう。国民はというと、一番の武器は投票だが、それだけではない。前政権を見てきたように、投票、その後も大切。しっかり政権を監視し、それを次の投票に生かすことを絶対に忘れてはならない。 (賀)