市内薗の小竹八幡神社に13日、来年の干支の「巳」を描いた大絵馬が奉納された。ヘビの絵は市内薗の会社員木村洪平さん(48)が描き、平成14年の午(馬)から始めて来年の巳が12番目。先代の画師の父靖夫さん、さらにその前の初代山中襄さん(洪平さんの大叔父)からかぞえると来年はちょうど4回目の巳にあたり、洪平さんは「ヘビの脱皮のように新たな『再生』の年に」との思いを込め、3匹のヘビが文字になった遊び心も加えて描いている。
 干支の大絵馬奉納は洪平さんの大叔父、 元市教育委員の山中さんが小竹八幡神社遷宮300年の昭和52年から始め、 この年の干支が巳。 その後、 洪平さんの父で元市教育長の靖夫さんが引き継いだが、 靖夫さんが病気で急逝したため、 平成14年の午からは洪平さんに絵筆が受け継がれた。
 三代目の洪平さんにとっては、 今回描いた巳が十二の干支の一巡目最後で、 木村家の仕事としては4回目の巳にあたるという節目。 洪平さんは 「大叔父、 父の後を受けて絵を描かせてもらい、 あっという間の12年。 今回はヘビが脱皮するように古いものや悪いことを捨て去り、 福や吉を呼び込み、 一から 『再生』 する年にとの思いを込めて描きました」 といい、 絵馬には洪平さん (俳号・青嶺子) が詠んだ 「振り出しに 戻すも楽し 初笑ひ」 の俳句も添えられている。
 絵馬の大きさは縦約90㌢、 横約180㌢。 工作は市内薗の塩﨑建築代表、 塩﨑弘直さん (50) が担当。 3匹のヘビは親子で、 それぞれくねらせた形はよく見ると、 左からひらがな5文字に見えるようになっている。来年は当たり年になり、この日の奉納を楽しみにしていたという多田幸子さん(71)=御坊市薗=は、「私は巳年なのにヘビは大嫌い。でも、この絵馬のヘビはかわいいです。 木村さんの文字の発想も面白い」 と笑顔。 小竹伸和宮司 (43) も 「ことしの辰 (龍) は特別にデフォルメされた劇画調でしたが、 このヘビはまた例年のタッチに戻ったよう。 文字も面白く、 参拝される方も楽しみに見ていただきたいですね」 と話している。