野生動物による農作物への被害が各地で相次いでいるが、 みなべ町東本庄区 (佐々木敏明区長) は独自の対策で取り組み、 効果が表れている。 同区森林組合と連携し、 平成21年から捕獲したイノシシとシカに対して補助を出すなどの制度を実施。 この結果、 イノシシの捕獲頭数が増え、 作物への被害が軽減しているという。 同区では 「地域の農作物や安全を守るため、 狩猟者を育成していきたい」 と話している。
 近年、 イノシシやシカなどの被害が増加。 民家の近くでもイノシシなどの野生動物が出没し、 農作物を食い荒らしたりする被害が目立っていた。 こうしたことから区内でも対策を望む声が上がり、 平成21年から区独自で、 イノシシとシカを捕獲した狩猟者に対しての補助制度を始めた。
 当初は1頭につき6000円 (区3000円、 森林組合3000円) だったが、 翌年から1万円 (区5000円、 森林組合5000円) に引き上げた。 現在は町と県と合わせて1万円の補助があるため、 1頭の捕獲につき2万円の補助がもらえる。 昨年度から町が新規のわな免許取得者に対して補助を出しているが、 区も講習料金などの一部を支援していた。 捕獲に使用する鉄製のオリも区でこれまでに18基用意した。 この結果、 わな免許取得者は当時2、 3人だったが、 現在は19人に増加。 ことし1月から10月までの捕獲実績は44頭 (すべてイノシシ) となった。
 同区では 「農作物の被害軽減や区民の安全を守るには、 イノシシやシカの頭数を減らさなければならない。 狩猟者の育成に取り組むことが大事」 と話している。